配信日 | 雑誌名 | 号 |
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2023/05/08 | 週刊東洋経済 | 2023年5月13日号 |
2023/08/21 | 週刊現代 | 2023年8月26日号 |
ウクライナ戦争は問いかける NATO東方拡大・核・広島
ISBN: 4022518898
発売日: 2023/01/20
出版社: 朝日新聞出版
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ロシアの侵攻から1年を迎えるウクライナ戦争。
朝日新聞元モスクワ支局長として通算8年の現地経験を持つ著者が、20世紀末の東西冷戦終結以降のロシアと西側諸国との確執を、
NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大、アメリカの核・ミサイル戦略を中心とする軍事政策、米ロ軍備競争、「核共有」議論と核同盟、
レーガン、ゴルバチョフ、ミッテランといった冷戦期におけるリーダーたちの歴史的交渉の舞台裏とともに、
自らが取材で分け入ったジョージア、南オセチア、コソボの実態、そしてウクライナ危機に至るまでの国際情勢と歴史的経緯をからめて冷静に分析する。
朝日新聞を含めた日本のメディアの報道姿勢に対しても斬り込む警世の書にして、著者が拠点とする「広島」からの発信によって、核廃絶と平和の道を真摯に訴えかける。
★佐藤優氏推薦!
「この戦争を理解するための最良の書。核戦争による人類消滅の危機を真摯に受け止め、停戦への道筋を示す優れた作品だ。あらゆるイデロギー的偏向を避け、リアリズムに徹した秀逸なウクライナ戦争分析の決定版!」
●なぜアメリカは「冷戦の勝者」として一極支配を進め、国際秩序を主導するのか?
●東西冷戦が終結したのに、なぜ西側軍事ブロックのNATOだけが残ったのか?
●根源的な疑問に目をそむけてはならない!
〈ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。
プーチン大統領による国際法も人権も踏みにじる暴挙を許すことはできない。ウクライナの人々の生命と財産を奪い、1500万人もの避難民を生み、多くの人々の心に憎悪を植え付け、それを増幅させ続けている。それは紛れもない事実だ。
そうした中、「ウクライナが負けないように武器支援すべきだ」という「戦え一択」の主張が朝日新聞を含む日本の大手メディアでも当然のように流され続けている。それが「ロシア憎し」の感情にとらわれた世論と共鳴し合う様相になった。
しかしそれは、憎きプーチンをたたくためならウクライナ市民の多少の犠牲はやむを得ないという思考に陥っていないだろうか?
核兵器と原発の時代に戦争を起こさせないためにはどうすべきか、NATO東方拡大を含め冷戦終結後の国際政治のあり方と真摯に向き合い、教訓を引き出す必要がある。 目をそらしてはならないのは、「冷戦の勝者」を自任する西側が冷戦終結後の対ロシア戦略を誤り、東西をカバーする安全保障の国際管理に失敗したという現実である〉
「1インチたりともNATOは東方に拡大しない」
1990年2月9日、米国務長官はそう発言した。
目次から
【序章】「核の時代」の戦争
【第1章】「NATO拡大」危険性への警告
【第2章】ゴルバチョフの誤算
【第3章】クリントンとネオコン勢力
【第4章】無視された警告
【第5章】「プーチンはNATOに入ろうとした」
【第6章】核同盟としてのNATO
【第7章】西側の「勝利者意識」
【第8章】「被爆地・広島利用」岸田政権の思惑
【第9章】「ロシア嫌い」の増幅
【終章】「NATO拡大」その先にあるもの
【付録】ゴルバチョフの言葉――朝日新聞記事で振り返る