配信日 雑誌名
2023/05/10 週刊新潮 2023年5月18日号
2023/07/18 週刊東洋経済 2023年7月22日号
2023/08/07 週刊エコノミスト 2023年8月15日号

「おかえり」と言える、その日まで 山岳遭難捜索の現場から

ISBN: 4103550112

発売日: 2023/4/13

出版社: 新潮社

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発見の鍵を握るのは、行方不明者の「癖」。プロファイリングによる捜索実話。

「せめてお別れだけでもしたい」ーーいくら探しても見つからないという家族から依頼を受け、著者は山へ向かう。たとえ身近な低山でも、運命の分かれ道は登山道の随所に潜んでいるのだ。家族のケアをしながら丹念に話を聞き、プロファイリングで消えた足跡を辿る6つのエピソード。予防と早期発見に役立つコラム付き。



【目次】



はじめに



第1章 偶然の発見

登山経験がほとんどなかった著者が、小学生が遠足で登るような山で2人の遭難者の遺体を見つける。地元の里山で、そんなことが……。衝撃を受けた彼女は、「山岳遭難捜索」の世界へ足を踏み入れることになる。



コラム 山の看護師 



第2章 母が帰らない

60代の女性がひとり埼玉県の奥秩父へ登山に出かけ、行方不明になった。登山前 の行動をよく調べてみると、彼女は友人から手渡された「写真」を参考に山に入 っており――。



コラム 捜索費用・保険



第3章 一枚の看板

埼玉県秩父槍ヶ岳で、男性が忽然と姿を消した。利用した登山道をプロファイリ ングから推定し、捜索を進める中で、ある気になる証言が。「その日、山頂を示す 看板の矢印が反対側を示しているように見えた」。



コラム 帰りを待つ家族の気持ちの変化 



第4章 捜索の空白地帯

神奈川県丹沢の沢登り制覇を目前に、ある男性の行方が分からなくなった。テント近くにビールも冷やしたまま、一体どこへ? 広大な範囲を捜索した末、遺体 が見つかったのは「誰も見ることのない」場所だった。



第5章 目的の人だけが見つからない

日光で縦走に挑んだ男性が遭難した。全く足取りが摑めないまま時間だけが過ぎ ていく。捜索を広げていく中で同じ山で遭難していた2名を発見。そして、遭難者につながるヒントが出てくる。



コラム 遺留品



第6章 長いお別れ

新潟・群馬県境の巻機山。雪がまだ残る季節に、男性がひとり山に入って消息を 断った。すぐに見つかると思われたが、2年経っても行方知れず。裁判所から、 危難失踪認定を受けた2日後に、遺留品が山で発見された。



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