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2023/05/23 週刊朝日 2023年6月2日号

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

ISBN: 4151200118

発売日: 2001/10/24

出版社: 早川書房

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ギレアデ共和国の侍女オブフレッド。彼女の役目はただひとつ、配属先の邸宅の主である司令官の子を産むことだ。しかし彼女は夫と幼い娘と暮らしていた時代、仕事や財産を持っていた昔を忘れることができない。監視と処刑の恐怖に怯えながら逃亡の道を探る彼女の生活に、ある日希望の光がさしこむが……。自由を奪われた近未来社会でもがく人々を描く、カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。解説/落合恵子

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。彼女は監視と処刑の恐怖に怯えながらも、禁じられた読み書きや化粧など、女性らしい習慣を捨てきれない。反体制派や再会した親友の存在に勇気づけられ、かつて生き別れた娘に会うため順従を装いながら恋人とともに逃亡の機会をうかがうが…男性優位の近未来社会で虐げられ生と自由を求めてもがく女性を描いた、カナダ総督文学賞受賞作。

小説、詩、評論、児童書などさまざまな分野で精力的に活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオタワに生まれる。トロント大学を卒業。ハーバード大学大学院などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年、詩集The Circle Gameでデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年に初の長篇小説『食べられる女』を発表。1986年に発表した本書は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞した。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』(早川書房刊)でブッカー賞およびハメット賞を受賞。他の著作に『オリクスとクレイク』(2003、早川書房刊)、『ペネロピアド』(2005)などがある。トロント在住。

アトウッド,マーガレット

小説、詩、評論、児童書などさまざまな分野で精力的に活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオタワに生まれる。トロント大学、ハーバード大学などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年、詩集The Circle Gameでデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年発表の初の長篇小説『食べられる女』では結婚を前にした働く女性の自我の危機を鋭く描き、文壇に衝撃を与えた。1986年には『侍女の物語』で2度目のカナダ総督文学賞を受賞。不気味で諷刺に満ちた未来社会がジャンルを超えた幅広い読者を魅了し、世界中に彼女の名を知らしめた。2000年には長篇小説The Blind Assassinでブッカー賞を受賞した



斎藤/英治

1957年生、慶応義塾大学文学部卒、明治大学大学院英文科修了、翻訳家、映画評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)