配信日 | 雑誌名 | 号 |
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2023/05/30 | 週刊ポスト | 2023年6月9日号 |
「単純化」という病 安倍政治が日本に残したもの (朝日新書)
ISBN: 4022952156
発売日: 2023/5/12
出版社: 朝日新聞出版
Amazonランク: 0
なぜまともな“議論”ができなくなったのか。
この国に漂う「分断」と「二極化」の“悪弊”を断つ!
「法令に違反していない」「解釈を変更した」――。森友・加計学園、桜を見る会、旧統一教会、偽りの国葬……。
第二次安倍政権から続く"1強体制"で確立したのは、「法令遵守」と「解釈変更」を盾に説明責任を果たさず、逃げ切るスタイルと、
公文書を改ざんしようが、国会で118回のウソをつこうが、「多数決」であらゆる物事を押し通す政治手法だった。
まともな“議論”が成り立たず、ますます加速する「分断」と「二極化」。
問題の本質を見ず、空回りを続ける日本の病に、“物言う弁護士”が切り込む。
■目次
【第一章】国有地売却をめぐる「単純化」
第二次政権発足以降の「単純化」の背景/昭恵氏と森友学園との関係/証人喚問に打って出た自民党
「偽証罪による告発」は無理筋/異例の「告発受理」の報道/補助金不正は「詐欺」なのか
【第二章】〝岩盤規制打破〞をめぐる「単純化」
「総理のご意向」文書/もう一つの疑念/読売新聞による個人攻撃/追及・正当化、双方の「単純化」
的はずれの〝追及〞/疑惑否定のための「挙証責任論」/規制緩和、判断基準の是非/規制緩和が引き起こす問題
加計学園問題の「もう一つの視点」/真実に近い「推理」
【第三章】森友・加計、それぞれの「第二幕」
「決裁文書改ざん」問題の発覚/なぜ〝改ざん〞は不起訴だったのか/陸山会事件での虚偽の報告書作成/検察最悪の組織犯罪
民事訴訟の提起と国の認諾/「愛媛県文書」の公開/「首相官邸の対応」をめぐる疑惑/〝すべての黒幕〞のインタビュー
報道機関向けのファックス/「理事長と首相との面談」/何が〝一強政治〞を盤石にしたのか
【第四章】放置された「ウソ」の構図
極めて単純な問題/3倍に膨らんだ予算/「桜を見る会」に参加した経験/「ウソ」を重ねていった安倍首相
「驚くべき」「語るに落ちた」答弁/「モリ・カケ」と「サクラ」の決定的な違い/新たに明らかになった真実/虚偽答弁についての「弁明」
明細書に関する説明の「大ウソ」/費用補塡、苦し紛れの「弁明」/政治資金と個人資金の一体化/弁明での「虚偽」の疑い
【第五章】銃撃事件以後も繰り返される〝手法〞
安倍氏銃撃事件と統一教会問題 /安倍氏のビデオメッセージ/銃撃事件直後の「分断」「二極化」
横行する〝憶測〞や〝決めつけ〞/統一教会問題の「社会問題化」/「犯人の思う壺」論の横行/全く通用しない論理
「国葬」をめぐる「二極化」/岸田首相が挙げた実施の理由/「法令上の根拠」をめぐる対立/現行法での実施は可能なのか
内閣府設置法は「法令上の根拠」か/政府答弁書と異なる見解/読売・産経記事のミスリーディング/繰り返される負の構図
「法令上の根拠」の「偽装」/「内閣葬」を「国葬」と偽装したことによる混乱/玉川徹氏の訂正と謝罪/「国葬」は社会に何をもたらしたのか
【終章】「法令遵守と多数決」という〝病〞
安倍氏が用いた手法の継承/検察とマスコミの同調圧力/回顧録に表れた「事実認識の偏り」/安倍氏が語った「100万円授受」