配信日 雑誌名
2023/06/22 週刊文春 2023年6月29日号
2023/06/30 週刊ポスト 2023年7月14日号
2023/07/31 週プレ 2023年8月14日号

ハリウッド映画の終焉 (集英社新書)

ISBN: 408721267X

発売日: 2023/6/16

出版社: 集英社

Amazonランク: 0

ハリウッド映画が危機に瀕している。

配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの余波、北米文化の世界的な影響力の低下などが重なって、製作本数も観客動員数も減少が止まらない。

メジャースタジオは、人気シリーズ作品への依存度をますます高めていて、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。

ハリウッド映画は、このまま歴史的役割を終えることになるのか?

ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく。



【佐久間宣行 氏 絶賛!】

「何もかもが変わってしまう時代に、それでも希望を見出すためには、ここまで現実を直視し続けることが必要なのだろう。新しい戦いを始めるための知識を詰め込んだ、武器のような本だ」



【目次】

第一章 #MeToo とキャンセルカルチャーの余波

『プロミシング・ヤング・ウーマン』─復讐の天使が教えてくれること

『ラストナイト・イン・ソーホー』─男性監督が向き合う困難

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』─作品の豊かさと批評の貧しさ

『カモン カモン』─次世代に託された対話の可能性



第二章 スーパーヒーロー映画がもたらした荒廃

『ブラック・ウィドウ』─マーベル映画の「過去」の清算

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』─寡占化の果てにあるもの

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』─扇動されたファンダム

『ピースメイカー』─疎外された白人中年男性に寄り添うこと



第三章 「最後の映画」を撮る監督たち

『フェイブルマンズ』─映画という「危険物」取扱者としての自画像

『Mank/マンク』─デヴィッド・フィンチャーのハリウッドへの決別宣言

『リコリス・ピザ』─ノスタルジーに隠された最後の抵抗

『トップガン マーヴェリック』─最後の映画スターによる最後のスター映画



第四章 映画の向こう側へ

『TENET テネット』─クリストファー・ノーランが仕掛けた映画の救済劇

『DUNE/デューン 砂の惑星』─砂漠からの映画のリスタート

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』─2010年代なんて存在しなかった?

『TAR/ター』─観客を挑発し続けること



【著者略歴】

宇野維正

映画・音楽ジャーナリスト。1970年、東京生まれ。「キネマ旬報」「装苑」「リアルサウンド」「MOVIE WALKER PRESS」などで連載中。著書に『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)、『くるりのこと』(くるりとの共著、新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(レジーとの共著、ソル・メディア)、『2010s』(田中宗一郎との共著、新潮社)。ゴールデン・グローブ賞インターナショナル・ボーター(国際投票者)。