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2023/09/21 | 週刊新潮 | 2023年9月28日号 |
「逆張り」の研究 (単行本 --)
ISBN: 4480823832
発売日: 2023/6/28
出版社: 筑摩書房
Amazonランク: 0
千葉雅也さん推薦
わざと対立するための、ただのポーズとしての「逆」ではなく、
真に思考を深めるための「逆」がある。
「逆張り」を考えることは
「逆張りぎらい」だった
震災以後の「空気」を
考えることでもある
「逆張りする側の立場を取材させてほしい」
「え……ぼくって「逆張り」なの……?」
新聞記者に「逆張り」認定された批評家が「逆張り」という現象を考える。
常識とは反対のありえない主張をする「逆張り」――元来は投資用語であった言葉が、昨今では悪口や罵倒、あるいは自虐的な言葉として用いられるようになった。本書は、この言葉をめぐる「社会評論」であり、「当事者研究」ともいうべき一冊となる。
震災以降、「批評」ではなく「運動」や「現場」、「おじさん」ではなく「女性」や「若者」、「傍観者」ではなく「当事者」が称揚され、「逆」が嫌われた(あるいは反動的に好まれた)2010年代とは何だったのか?
「注意経済」「相対主義と絶対主義」「冷笑(シニシズム)」「ポピュリズム」「差異化ゲーム」などのキーワードを軸に、SNSの隆盛とともに社会が大きく変化していった時代を振り返る。
【目次】
まえがき 逆張りくんによる「逆張り」の研究
第1章 「成功したければ逆張りをしろ」――投資家と注意経済の時代
第2章 「どっちもどっち」の相対主義と「この道しかない」の絶対主義――同じところで同じ情報がぐるぐる回っている
第3章 「昨日の敵は、今日の友」――アンチと「アンチのアンチ」の戦争
第4章 「ブーメランが突き刺さっている」――アンチ・リベラルの論法
第5章 「他人からええように思われたいだけや」――動機を際限なく詮索するシニシズム
第6章 「そこまで言って委員会」――インターネット学級会とネトウヨになりかけたTくん
第7章 「やっぱり東野圭吾が一番」――逆張りとしての批評
第8章 「脳をつつけば世界はガラリと変わって見える」――はるしにゃんとケミカルな唯物論
第9章 逆張りは多数派の敵でありつつ、友でなければならない