配信日 雑誌名
2023/07/25 週刊東洋経済 2023年7月29日号

市川房枝、そこから続く「長い列」──参政権からジェンダー平等まで

ISBN: 4750517895

発売日: 2023/4/12

出版社: 亜紀書房

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「私は憤慨しとるんですよ」



ジェンダー平等後進国といわれる日本で、100年前から女性の地位向上を訴えていた人がいた。

戦前は男性にしかなかった「女性の参政権」を求め、戦後は無所属の参議院議員として人びとに慕われた。

国際社会の外圧を使い、データを揃え、仲間を募り、社会に波を作る──市川房枝の方法論はいまも褪せない。



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戦前は平塚らいてうと組んで、女性の参政権を獲得する運動をはじめ、戦後は、参議院員として、女性差別撤廃条約批准を推進させ、男女雇用機会均等法の成立を後押しした。

戦前の米国行き、ILO(国際労働機関)事務所勤務、独立して婦選活動、終戦後の公職追放、60歳で参議院初当選、87歳で全国区トップ当選──。



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いまよりさらに男尊女卑、性別役割分業意識が強い時代にあって、どのように社会を動かそうとしたのか?

そして今、彼女の願った男女平等は、本当に達成されているのか……。



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【目次】

■はじめに

序章…………国際連合と日本女性をつなぐ

第1章………「農家の娘」が一四歳で米国留学を目指す

第2章………平塚らいてうと女性の参政権をめざす協会設立

第3章………アメリカへ渡る

第4章………ILO職員として女性の労働現場を歩く

第5章………戦前の「婦選」活動

第6章………戦争を生きぬく

第7章………公職追放と参政権獲得と

第8章………無所属の参議院議員として

第9章………「政治と金」に抗して

第10章………市川房枝のジェンダー政策

終章…………ジェンダー平等に向けての「長い列」

■おわりに