配信日 雑誌名
2023/08/31 週刊新潮 2023年9月7日号

放蕩の果て: 自叙伝的批評集

ISBN: 4794226616

発売日: 2023/6/30

出版社: 草思社

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言葉はどこからもやって来ず、

私は言葉を探し、追いかけている。



食って飲んで酔っ払い、

月に三百枚もの原稿を書いた著者は、

病に蝕まれ、食べられなくなり、

ついに言葉も遠ざかってしまった――。



耽溺してきた文学、演劇、映画、美術、音楽、酒、料理、旅の記憶を回想しながら、

友人や師、両親との交流を自叙伝的に描く著者渾身の傑作批評集。



真実の文章を書くことに対して、

前向きに、単純に生きるために書かれた、

復活への祈りの書。



「日本史探訪」、『仁義なき戦い』、三島由紀夫『わが友ヒットラー』、つかこうへい、ミッシェル・ポルナレフ、イギー・ポップ、芥川龍之介『河童』、市倉宏祐、ドゥルーズ=ガタリ『アンティ・エディップ』、ドリュ・ラ・ロシェル『ジル』、ジョルジュ・ベルナノス、永井荷風、金子光晴、ヘミングウェイ『移動祝祭日』、澤口知之、江藤淳、坂本忠雄、石原慎太郎、白洲正子、坪内祐三、石原莞爾、北大路魯山人、カラヴァッジョ、松田正平、洲之内徹、野見山暁治、横尾忠則、三浦朱門、遠藤周作、セルジュ・ゲンスブール、アンドレ・ケルテス『読む時間』、小林旭、美空ひばり、クリムト、ツヴァイク、獅子文六、宇能鴻一郎、和辻哲郎、丸山眞男、清水幾太郎、福田恆存、山本七平、中野重治……。



[目次]

第一部 放蕩の果て

私の独学ことはじめ

江藤淳氏の死に際して痛切に感じたこと

妖刀の行方――江藤淳

食うことと書くこと

絵画と言葉

三浦朱門の『箱庭』

Let It Bleed――料理人・澤口知之

声――フランスと日本と

小林旭という旅

世紀末ウィーンをめぐる考察――技術、耽美、人道

獅子文六の内なる日本

『味な旅 舌の旅』――宇能鴻一郎

「目玉だけになるのが難しいのよ」――白洲正子

文学という器――坪内祐三

最後の冒険――石原慎太郎



第二部 思惟の畔にて

『鎖国』和辻哲郎

『開国』丸山眞男

『私の心の遍歴』清水幾太郎

『総統いまだ死せず』福田恆存

『文化防衛論』三島由紀夫

『私の中の日本軍』山本七平

「雨の降る品川駅」中野重治



あとがき