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2024/03/11 週刊エコノミスト 2024年3月19日号

自治と連帯のエコノミー

ISBN: 4865784101

発売日: 2023/12/27

出版社: 藤原書店

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レビュー

社会的連帯経済(ESS)のゆたかで長い歴史は、金融危機、健康危機、そして将来の気候危機によって開かれた展望を分析するために動員されねばならない。このうち気候危機は、2000年代以降、これまでとは別の時代に入ったことを示している。



その当初より社会的連帯経済を苦しめたのは、それが支配的社会関係によって構造化された2つの標準的構図との関係で定義されてしまうということであった。すなわち、資本主義に典型的な市場関係か、あるいは市民の国家に対する関係か、の2つである。社会的連帯経済は市場でもなく国家でもなく、両者の中間にあるものとして登場する。(本書より)

著者について

【著者紹介】

●ロベール・ボワイエ(Robert Boyer)

1943年生。パリ理工科大学校(エコール・ポリテクニック)卒業。フランス財務省研究員,数理経済計画予測研究所(CEPREMAP)および国立科学研究所(CNRS)教授,ならびに社会科学高等研究院(EHESS)研究部長を経て,現在は米州研究所(パリ)エコノミスト。

著書に『レギュラシオン理論』『入門・レギュラシオン』『第二の大転換』『現代「経済学」批判宣言』『世界恐慌』,〈レギュラシオン・コレクション〉『1 危機―資本主義』『2 転換―社会主義』『3 ラポール・サラリアール』『4 国際レジームの再編』(共編著),『資本主義vs資本主義』『ニュー・エコノミーの研究』『金融資本主義の崩壊』『ユーロ危機』『作られた不平等』『資本主義の政治経済学』『パンデミックは資本主義をどう変えるか』『経済学の認識論』(以上いずれも藤原書店)『レギュラシオン』(ミネルヴァ書房)などがある。



【訳者紹介】

●山田鋭夫(やまだ・としお)

1942年愛知県生。1969年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学名誉教授。専攻は理論経済学・現代資本主義論・市民社会論。

著書に『経済学批判の近代像』(有斐閣,1985年),『レギュラシオン・アプローチ』(藤原書店,1991年;増補新版1994年),『レギュラシオン理論』(講談社現代新書,1993年),『20世紀資本主義』(有斐閣,1994年),『さまざまな資本主義』(藤原書店,2008年),Contemporary Capitalism and Civil Society (Springer, 2018),『内田義彦の学問』(藤原書店,2020年),『ウェルビーイングの経済』(藤原書店,2022年),Civil Society and Social Science in Yoshihiko Uchida (Springer, 2022)など。



(本データは刊行時のものです。)