配信日 | 雑誌名 | 号 |
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2024/10/03 | 週刊新潮 | 2024年10月10日号 |
2024/10/22 | サンデー毎日 | 2024年11月3日号 |
2024/11/25 | 週刊東洋経済 | 2024年11月30日号 |
アウシュヴィッツの小さな厩番
ISBN: 4105074318
発売日: 2024/8/9
出版社: 新潮社
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レビュー
生きるために与えられたのは、馬の命を守る仕事だった。
死と隣り合わせの過酷な労働を乗り越え、人間が失いうるほぼすべてのものを失いながらも、3つの強制収容所を生きのびた少年の奇跡の物語。
12の言語に翻訳。感動の実話!
ドイツ生まれのユダヤ人少年の幸せな日々は、突然終わりを告げた。ゲットーへの「再定住」と父の死。強制収容所への移送と母の死。死があまりに身近な場所で、人間が失うことのできるほとんどすべてのものを失いながらも、運と知恵を頼りに少年は生き抜いた。移送された2011人のほぼ最後の生き残りとして、なお寛容を語った魂の記録。
(目次)
はじめに
第1章 ドイツ人の男の子
第2章 リーダーを求めるドイツ
第3章 ドイツのユダヤ人
第4章 ナチ党の台頭
第5章 ユダヤ人への弾圧
第6章 忘れられない夜・忘れたい夜
第7章 「人違いだ!」
第8章 行く場所もなく、することもない
第9章 爆弾の破片は宝物
第10章 国外追放
第11章 一部屋に二一人
第12章 スープの戦略
第13章 ゲットーの使い走り
第14章 夜に響く音
第15章 父を亡くす
第16章 絞首刑執行人の親切
第17章 秘密の屋根裏
第18章 列車
第19章 挙げた手。タトゥーを入れた腕
第20章 厩へ
第21章 ムッティ、オルガ、バルバロッサ
第22章 草原の仔馬
第23章 バルバロッサ
第24章 銃殺
第25章 殴打とトマトとパン
第26章 絶体絶命と片目のナチ党将校
第27章 何かが起きている
第28章 死の行進
第29章 攻撃される
第30章 ブーヘンヴァルト強制収容所
第31章 夜のささやき
第32章 死者と眠る
第33章 ダビデの星をつけた戦車
第34章 ブーヘンヴァルト強制収容所内で起きていたこと
第35章 逃げる親衛隊
第36章 健康な者、病んだ者、死にゆく者
第37章 黒と白
第38章 はじめての朝食
第39章 自由が怖い
第40章 長い道のり
第41章 ワイマールの善良なドイツ人
第42章 死者を葬る
第43章 バラックの少年たち
第44章 もう一度列車に乗る
第45章 人生を取り戻す
第46章 ようこそ児童養護施設へ
第47章 どこかのだれか
第48章 解放とは
第49章 エクソダス号
第50章 アメリカから来た男
第51章 パリで自由を楽しむ
第52章 約束の地へ
第53章 自由の女神
第54章 ついに家族ができる
第55章 ウェストウッドへようこそ
第56章 ユダヤ人の壁
第57章 ドイツへ帰る
おわりに
読者のみなさんへ
謝辞
訳者あとがき
著者について
ヘンリー・オースター
Henry Oster
1928年、ドイツのケルンに生まれる。ウーチ・ゲットー、そしてアウシュヴィッツ、ビルナケウ、ブーヘンヴァルトの強制収容所を奇跡的に生きのびた。戦後、おじを頼ってアメリカに渡り、検眼士として働く。2011年、ケルンから強制移送された2011人のユダヤ人の最後の生き残りとして、かつて二度と戻らないと誓ったドイツを70年ぶりに訪れた。2019年、90歳で死去。
大沢章子
大阪大学人間科学部卒業。訳書に、R・M・サポルスキー『サルなりに思い出す事など 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々』(みすず書房)、R・パルバース『ぼくがアメリカ人をやめたワケ』(集英社インターナショナル)、P・スヴェンソン『ウナギが故郷に帰るとき』(新潮文庫)、R・マッキンタイア『イエローストーンのオオカミ 放たれた14頭の奇跡の物語』(白揚社)など多数。