配信日 | 雑誌名 | 号 |
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2025/03/31 | 週刊エコノミスト | 2025年4月8日号 |
世界の遺児に教育を! 〔あしなが運動の創始者・玉井義臣自伝〕
ISBN: 4865784438
発売日: 2024/11/27
出版社: 藤原書店
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レビュー
〈私の教育哲学〉 ――――――― 玉井義臣
教育方針に革命をもたらさないと日本は衰退の速度を速めるばかりだ。
それは、あしなが活動を通して私が獲得した教育哲学だ。
とかく日本では子どもの欠点を指摘し、長所、好きなこと、やりたいことを伸ばそうとしない。ところが欧米は逆で、得意な点、好きな点をほめて背中を押してやる。欠点や弱い点をつついて恥をかかせるようなことはしない。
そうやって、自信をもって人生と格闘する生き方や生き抜くための術を身に着ける方が大切だと思う。
著者について
【著者紹介】
●玉井義臣(たまい・よしおみ)
1935年大阪府生まれ。滋賀大学卒業後、経済ジャーナリストとしてデビュー。母親の交通事故死から被害者の救済問題を提起し、日本初の「交通評論家」として活動開始。TVワイドショー「桂小金治アフタヌーンショー」出演をきっかけに、69年に財界重鎮・永野重雄氏と民間ボランティア団体「遺児を励ます会」等の協力を得て「財団法人・交通遺児育英会」を設立、専務理事に就任する。94年同育英会への官僚天下り人事に抗議する形で専務理事を辞任。災害・病気・自死遺児など全ての遺児の支援のために設立した「あしなが育英会」の副会長に就任。98年、会長に就任。現在は支援の対象を国内に止めず、世界の極貧地アフリカのサブサハラ49か国から優秀な遺児を毎年1国1人選抜し、日本と世界の有数大学に留学させ、帰国後国づくりに参加させ、ひいては世界の貧困削減につなげる「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」に邁進している。
69年以降の玉井主導募金額1100億円で高校・大学等に進学した遺児は11万余人に上る。2012年、遺児進学と東日本大震災での迅速な遺児支援活動、アフリカ遺児への教育支援100年構想に対し「世界ファンドレイジング大賞」。2015年、日本及び世界の遺児に教育的サポートを行ない、遺児を貧困の連鎖から解き放つ運動を展開し、人権の擁護に努めたことに対し「エレノア・ルーズベルト・ヴァルキル勲章」。2018年、日本国内外を問わず、現代において後藤新平のように文明のあり方そのものを思索し、それを新しく方向づける業績を挙げたことに対し「第12回後藤新平賞」を受賞している。その他受賞多数。
著書に『愛してくれてありがとう』(2020年)、『玉井義臣の全仕事 あしなが運動六十年』(2024年-)、編著に『何があっても、君たちを守る 遺児作文集』(2021年、いずれも藤原書店)他。
【編著者紹介】
●城島徹(じょうじま・とおる)
1956年東京生。ジャーナリスト。81年毎日新聞社入社。社会部記者、アフリカ特派員、生活報道センター長、大阪本社編集局次長などを歴任。明治大学基礎マスコミ研究室主任研究員(2013-23年)。目白大学非常勤講師(2016-22年)。著書に『日中が育てた絵本編集者 唐亜明』(藤原書店)、『謝る力』『新聞活用最前線』(清水書院)、『私たち、みんな同じ――記者が見た信州の国際理解教育』(一草舎出版、地方出版文化功労賞奨励賞受賞)、編著に『いのちを刻む――鉛筆画の鬼才、木下晋自伝』(藤原書店)等。
(本データは刊行時のものです。)