配信日 | 雑誌名 | 号 |
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2025/04/07 | 週刊東洋経済 | 2025年4月12日号 |
眼述記 〜全身マヒになった夫が文字盤で最初に示したのは「さわるな」の4文字だった。
ISBN: 4907902379
発売日: 2025/2/28
出版社: 忘羊社
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抜粋
「これは、おおむねダメな感じで生きてきた人間が、49歳のときに、夫が全身マヒになるという大事件に遭遇し、人間的に成長し困難を乗り越えた、とかいう話ではない。思ってもみない出来事の連続に、その都度、ダメなりになんとかやってきた記録だ。…絶望的なことが起こったからと言って、側にいる家族全員がずっと絶望してるワケにもいかないのだ。当時、子らは高校1年生と中学1年生だった。帰りたくない家にだけはしたくない。…明るく楽しげにしてる、という一点突破でやろうと決意した。てかそれしかできない。ただ、それだけは何とかやってこれたのではないかと思う。ときにそのヘラヘラ加減が、夫の絶望を深くしたこともあったかもしれないが、そこは子ら優先である。大人には、自分の機嫌は自分でとってもらいたい。そして、ただでは転ばねえぞ、とばかりに日々のことを綴ったのが本書である。」(「あとがきにかえて」より)
著者について
1965年北九州市生まれ、京都育ち。京都府立東稜高校卒業。1983年から、京都、福岡、山口、東京などの3書店(9店舗)で勤務。1994年、西日本新聞での連載を皮切りにライター業も細々と継続。2014年11月、夫が脳出血を発症し全身マヒに。以降、在宅での24時間介護を続けている。著書に『書店員タカクラの、本と本屋の日々。・・・ときどき育児』(2006年、書肆侃侃房)がある。