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2025/04/07 週刊ポスト 2025年4月18日号

昭和 街場のはやり歌: 戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと

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発売日: 2023/8/4

出版社: 彩流社

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「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。



歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交えて描く歌謡社会文化論! 



「…「はやり歌」たちは、 戦争を挟んで六十余年もつづいた「昭和」とは一体いかなる時代であったのかをあぶりだしてくれる。さらに「過去の日本」のありようだけでなく、そこからは「明日の日本」を垣間見ることができるかもしれない。今も街場の「はやり歌」たちは、そのための手掛かりとして発見されることを待っている。」(本書「まえがき」より)





【目次】

Ⅰ 希求と喪失の章

第1話 「炭坑節」(歌・赤坂小梅ほか)

   GHQと炭坑節が戦後日本をつくった!?

第2話 「テネシーワルツ」(歌・江利チエミ)

   映画「鉄道員(ぽっぽや)」と地底の炭坑夫への挽歌

第3話 「東京のバスガール」(歌・初代コロムビア・ローズ)

   彼女たちは明るく走っていなかった?

第4話 「あゝ上野駅」(歌・井沢八郎)

   元“金の卵”たちにとって上野は今も「心の駅」だろうか

第5話 「南国土佐を後にして」(歌・ペギー葉山)

   戦中戦後をつなぐ“詠み人知らず”の元軍国歌謡

第6話 「スーダラ節」ほか(歌・植木等/ハナ肇とクレジーキャッツ)

   サラリーマンソングは「昭和」をあぶりだす

Ⅱ 異議と蹉跌の章

第7話 「アカシアの雨がやむとき」(歌・西田佐知子)

   60年安保闘士と越山会の女王の“異床同歌”とは

第8話 「夢は夜ひらく」(歌・園まり)

「圭子の夢は夜ひらく」(歌・藤圭子)

  「檻の中」生まれの唄は、なぜシャバへまんまと出たのか

第9話 「唐獅子牡丹」(歌・高倉健)

   ヤクザ映画は“参加すること”に意義がある!?

第10話 「世界の国からこんにちは」(歌・三波春夫ほか)

    万博の“笛吹男”はラーゲリ帰りの“赤色浪曲師”

第11話 「遠くへ行きたい」(ジェリー藤尾)

「いい日旅立ち」他(歌・山口百恵)

   「ディスカバージャパン」・失われた世代の「挽歌」

Ⅲ 祈念と失意の章

第12話 「一本の鉛筆」(歌・美空ひばり) 

   “昭和の歌姫”がうたい遺した鎮魂の反戦歌

第13話 「ムジン河」(歌・ザ・フォーク・クルセダーズ)

   “分断のシンボル歌”が今も歌い継がれる不幸

第14話 「沖縄を返せ」(作詞・全司法福岡高裁支部、作曲・荒木栄)

「身を捨つるほどの 祖国はありや」

第15話 「 何日君再来(フォーリン・チュン・ツァイライ)」(歌・テレサ・テン)

   時代を超えて敵にも味方にも愛されるラブソング

IV 災厄と予兆の章

第16話 「丸の内音頭」(歌・小唄勝太郎/三島一声)

「東京音頭」は四度死ぬ

第17話 「東京五輪音頭」(歌・三波春夫)

「東京五輪音頭2020」(歌・石川さゆり 他)

“遺産転がし”による「国民総踊り計画」はなぜ失敗したか

第18話 「船頭小唄」(作詞・野口雨情、作曲・中山晋平)

「昭和枯れすゝき」(歌・さくらと一郎)

   コロナと百年前の疾病を予知した「謡歌」たち

第19話 「カチューシャ」(作詞・M.イサコフスキー、作曲・M.ブランテル、訳詞・関監子)

   ウクライナ戦争を読み解くリトマス試験紙である!