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2024/08/30 週刊ポスト 2024年9月13日号

捜査・浴槽で発見された手記 (スタニスワフ・レム・コレクション)

ISBN: 4336071330

発売日: 2024/3/11

出版社: 国書刊行会

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著者について

スタニスワフ・レム

1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年には現代SF の研究書『SF と未来学』を完成。70 年代以降は『完全な真空』『虚数』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年に死去。



久山宏一

1958年埼玉県生まれ。東京外国語大学卒、早稲田大学大学院博士後期課程中退。アダム・ミツキェーヴィチ大学(ポーランド、ポズナン市)にて文学博士号取得。東京外国語大学など非常勤講師。ポーランド語翻訳・通訳。専門はロシア・ポーランド文学研究。著書に『ミツキェーヴィチのソネットとロマン主義期のロシア・ソネット』(ポーランド語)、訳書にスタニスワフ・レム『大失敗』(国書刊行会)、アンジェイ・ムラルチク『カティンの森』(集英社文庫、共訳)、アダム・ミツキェーヴィチ『ソネット集』『コンラット・ヴァレンロット』(以上未知谷)、オルガ・トカルチュク『優しい語り手』(岩波書店、共訳)などがある。



芝田文乃

1964年神奈川県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家。訳書にスワヴォーミル・ムロージェク『所長』『鰐の涙』(以上未知谷)、スタニスワフ・レム『地球の平和』、ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』『狂気の巡礼』『火の書』『不気味な物語』(以上国書刊行会)、ヴィトルト・シャブウォフスキ『踊る熊たち』『独裁者の料理人』(以上白水社)、共訳書にスタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』『短篇ベスト10』『火星からの来訪者』、レシェク・コワコフスキ『ライロニア国物語』(以上国書刊行会)などがある。



沼野充義

1954 年東京都生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科博士課程に学ぶ。ワルシャワ大学講師、東京大学教授を経て、現在名古屋外国語大学教授、東京大学名誉教授。著書に『徹夜の塊』三部作(『亡命文学論』『ユートピア文学論』『世界文学論』、作品社)、『W文学の世紀へ』(五柳書院)、『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』(講談社)、編著書に『東欧怪談集』『ロシア怪談集』(河出文庫)、『世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義』全5巻(光文社)、訳書にスタニスワフ・レム『ソラリス』(国書刊行会およびハヤカワ文庫SF)、ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』(未知谷)、クラシツキ『ミコワイ・ドシフャトチンスキの冒険』(岩波書店)、ウラジーミル・ナボコフ『賜物』(新潮社)、『新訳 チェーホフ短篇集』(集英社)などがある。