| 配信日 | 雑誌名 | 号 |
|---|---|---|
| 2025/01/24 | GOETHE | 2025年3月号 |
ビジネスエリートのための 教養としての文豪
ISBN: 4478121419
発売日: 2024/12/4
出版社: ダイヤモンド社
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レビュー
第1章 文豪と「性」
——「エロス」抜きに文豪は語れない——
【川端康成】
“変態的恋愛”を熱心に書き続けたノーベル文学賞作家
【谷崎潤一郎】
究極のドМか? 虐待されるのを喜ぶマゾヒズムの神様
【与謝野晶子】
底しれぬ行動力で略奪愛? 「推しの男」と結婚した女
【田村俊子】
不倫、ヒモ男、19歳の年の差恋愛……自由奔放な恋愛遍歴の行く末は?
【三島由紀夫】
圧倒的マイノリティだった同性愛者の苦しみ
【宮沢賢治】
37歳まで童貞を貫いた!? 禁欲生活の果てに見つけた真実とは
第2章 文豪と「病」
——血反吐を吐いても書き続ける作家たち——
【夏目漱石】
「病気のデパート」と呼ばれた虚弱体質
【正岡子規】
21歳で「不治の病」に冒された明治の俳人
【梶井基次郎】
評価されなくても病床で書き続けた貧乏作家
【中島敦】
「もうすぐ死ぬ」ことで創作の才能に着火
【大原富枝】
病気に自由を奪われた青春時代の10年間
【北条民雄】
宿痾に直面してもひるまず、たくましく人間性を表現
第3章 文豪と「金」
——貧乏作家、金持ち作家、成り上がり作家——
【樋口一葉】
17歳で父の借金を肩代わり
【大佛次郎】
センスあふれる大富豪の優雅な執筆生活
【菊池寛】
貧乏作家にお金を貸しまくる出版界のリーダー
【志賀直哉】
反抗期をこじらせた「港区男子」
【星新一】
「ショートショートの神様」は財閥の御曹司
【江戸川乱歩】
失業中の29歳ニートが一発逆転
第4章 文豪と「酒」
——アルコールに溺れた先に見えたもの——
【坂口安吾】
酒と覚醒剤から逃げられなかった「落ちこぼれの文豪」
【小林秀雄】
酔うとすぐに議論したがる「論破上戸」
【中原中也】
行きつけのバーを閉店させるほどの酒乱
【開高健】
サントリー出身の「酒」の名文家
【平塚らいてう】
女だって仕事終わりに酒を飲んでいいじゃない
【西村賢太】
中卒フリーター作家による最高峰の「酔っ払い文学」
第5章 文豪と「戦争」
——激動の時代とペンで戦え!——
【大岡昇平】
戦争で見た「追い詰められた人間」の本性
【吉田満】
沈みゆく戦艦で生き残った者の視点で書くも発禁
【遠藤周作】
戦争時代に宗教2世が受けた差別
【島尾敏雄】
「特攻せよ」と186人に指示した「中間管理職」の宿命
【古井由吉】
B29爆撃機の空襲に逃げ惑い、戦後も社会の根底に潜む戦争の影を憂える
【林芙美子】
「戦意を高揚させる文章」という執筆依頼
【司馬遼太郎】
「なぜ日本人は戦争をしたのか」という問いに生涯向き合う
第6章 文豪と「死」
——現代まで引き継がれた「ぼんやりした不安」の正体——
【太宰治】
5回自殺にチャレンジした「自殺オタク」
【芥川龍之介】
雨が降りしきるなか「将来に対する唯(ただ)ぼんやりした不安」から自殺
【幸田文】
死にゆく父・幸田露伴を見届けた介護生活
【森鴎外】
自説に固執して3万人もの兵士を死なせた?
【永井荷風】
3億円の全財産を枕元において死んでいた独居老人
第7章 「番外」の文豪
——「文豪」のスケールにとどまらない仕事をした作家たち——
【中上健次】
被差別部落出身の作家が描いた“人間の弱さ”
【石原慎太郎】
小説家から、国会議員、東京都知事になった“異色の文豪”
【伊集院静】
ディレクター・作詞家・小説家……博打好きで美人を射止める“稀代のモテ男”
【大江健三郎】
ノーベル賞作家は粘り強く書き直す「努力の人」
【瀬戸内寂聴】
大正・昭和・平成・令和と4つの時代を生きた大作家
【村上春樹】
「リトマス試験紙」のような感性を持つ作家
著者について
富岡幸一郎(とみおか・こういちろう)
1957年東京都生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。少年時代はプロ野球選手を目指していたが、中学1年生のときに三島由紀夫の割腹自殺のニュースをきっかけに三島作品に触れ、文学に目覚める。大学在学中の1979年「意識の暗室 埴谷雄高と三島由紀夫」で第22回群像新人文学賞評論優秀作受賞(村上春樹氏と同時受賞)以来、45年にわたり文芸評論に携わり、研究を続ける。1991年にドイツに留学。2012年4月から2023年3月まで鎌倉文学館館長。現在、関東学院大学国際文化学部教授。著書に『使徒的人間 カール・バルト』(講談社文芸文庫)、『〈危機〉の正体』(佐藤優共著・講談社)、『川端康成 魔界の文学』(岩波書店)など。
