配信日 雑誌名
2025/02/06 週刊新潮 2025年2月13日号

いつか深い穴に落ちるまで

ISBN: 430902761X

発売日: 2018/11/15

出版社: 河出書房新社

Amazonランク: 0

サラリーマン・鈴木、人生を「穴」に賭ける



「なぜ、そんな穴を?」

「だって、近道じゃありませんか」



日本戦後史 × 穴掘り × やるせない会社員

日本-ブラジル間・直線ルート極秘開発プロジェクト、開始。

大ボラサラリーマン小説の爆誕!!!



◎選考委員、驚愕



小説という表現を信じる力の強さと、想像力の勝利に打たれて、

私はこの作品を絶対に世に出したいと思った

ーー磯﨑憲一郎氏



「よくまあここまで」と思わせる大風呂敷なホラ話。

これぞ文科系の土木小説! その野蛮さは大物の片鱗

ーー斎藤美奈子氏



奇妙だから面白いのではない。真面目だから面白い。

作品の生真面目さ、のようなものに惹かれた。

ーー村田沙耶香氏





【あらすじ】

戦後から現在まで続く「秘密プロジェクト」があった。

発案者は、運輸省の若手官僚・山本清晴。

敗戦から数年たったある時、新橋の闇市でカストリを飲みながら彼は思いつく。「底のない穴を空けよう、そしてそれを国の新事業にしよう」。

かくして「日本-ブラジル間・直線ルート開発計画」が「温泉を掘る」ための技術によって、始動した。



その意志を引き継いだのは大手建設会社の子会社の広報係・鈴木一夫。

彼は来たるべき事業公表の際のプレスリリースを記すために、

この謎めいた事業の存在理由について調査を開始する。



ポーランドからの諜報員、

業員としてやってくる日系移民やアジアからの技能実習生、

ディズニーランドで待ち合わせた海外の要人、

ブラジルの広報係・ルイーザへの想い、

そしてついに穴が開通したとき、鈴木は……。



様々な人間・国の思惑が交差する中、日本社会のシステムを

戦後史とともに真顔のユーモアで描きつくす、大型新人登場。

戦後から現在まで続く「秘密プロジェクト」があった。発案者は、運輸省の若手官僚・山本清晴。敗戦から数年たったある時、新橋の闇市でカストリを飲みながら彼は思いつく。「底のない穴を空けよう、そしてそれを国の新事業にしよう」。かくして「日本‐ブラジル間・直線ルート開発計画」が「温泉を掘る」ための技術によって、始動した。その意志を引き継いだのは大手建設会社の子会社の広報係・鈴木一夫。彼は来たるべき事業公表の際のプレスリリースを記すために、この謎めいた事業の存在理由について調査を開始する。ポーランドからの諜報員、作業員としてやってくる日系移民やアジアからの技能実習生、ディズニーランドで待ち合わせた海外の要人、ブラジルの広報係・ルイーザへの想い、そしてついに穴が開通したとき、鈴木は…。第55回文藝賞受賞作。